「今のガンバには点を決める選手が必要」(倉田)
「力づくだけではなかなか点は取れない。色々と得点する形はあると思うが、それを身につけてこじ開ける力をチームとして備えないといけない」と指揮官も最後の一押しを課題に掲げる。
リーグ戦の中盤までは未だにチーム最多の13得点を残している万能ストライカー、レアンドロと倉田秋が、前線の再構築を迫られた夏場には新加入の宇佐美貴史とロチャが、それぞれゴール前の個の力を見せつけてきたG大阪。
ラスト7試合に向けて、最高の追い風となりそうな選手が、臨戦態勢を整えつつある。
前線でのハードワークを怠らない「闘うテクニシャン」の倉田である。
6月29日の徳島戦で靭帯を負傷し、長らくチームを離れていた背番号6は長谷川監督が「秋がいないのは一番痛い」と一時こぼしたほど、信頼の厚い攻撃のキーマン。9月半ばから全体練習に合流し、すでに練習試合とステップアップリーグの京都戦をこなし、コンディションを上げつつある。
前線からのサボらない守備を含めて攻守両面で貢献度の高い倉田ではあるが、オフザボールの質の高さは今のG大阪の前線に欠けているものだ。遠藤も「攻撃では何でも出来る選手だけど、ボールがない時もいい動き出しをしてくれる」と語る。
愛媛戦ではロチャがスペースのなさで持ち味を発揮出来ず、宇佐美もボールの引き出し方に工夫を欠いたが、こうした展開だからこそ問われるのが前線の動きの質。もはやアウェイとは言え負けられない栃木戦で、ベンチ入りの可能性を持つ倉田はチームの現状をこう看破した。
「今のガンバには点を決める選手が必要。そういう助けになりたいし、試合に出たら点を取りたい」(倉田)。
代表組不在の試合も待っている残り7試合。頼れる背番号6が、ついにピッチに帰ってくる。
【了】
関連リンク
“早熟の天才”宇佐美貴史は古巣ガンバで輝きを取り戻せるか
圧勝でJ1昇格するために――。宇佐美の進化にガンバの未来がある
行政頼らぬ成功例が日本サッカー界を変える可能性も。ガンバはなぜ自前で専用スタジアムを建設出来るのか?
この男、天才につき。遠藤保仁のサッカー世界を読み解く
ガンバ大阪が足を踏み入れた J2新世界