Jクラブが質で凌駕する時代は終わった
アジアチャンピオンズリーグ準決勝で柏レイソルが広州恒大に完敗した。2011年にJリーグを制してから、国内では一目置かれる存在になった柏が二戦合計で8-1と完膚なきまで叩きのめされた事実は衝撃的だ。広州恒大が擁する3人の外国人選手、ダリオ・コンカ、ムリキ、エウケソンの破壊力は凄まじかった。
日程面での不利は確実にあった。柏の選手たちが突如として集中力を欠いたプレーを見せ、そこかから失点する場面が準決勝の2試合を通じて続いていた。本来の姿とはほど遠い光景が大差での敗戦の悔しさをさらに倍加させる。
しかし、2015年から始まる2ステージ制となれば、「スーパーステージ」と「チャンピオンシップ」という2つステージで構成されたプレーオフ制度により、さらに日程は過密になる。要はその条件下でもこうした相手に勝たねばならないのだ。
ひとつ言えるのは、時代は変わった、ということだろう。かつて浦和レッズやガンバ大阪がACLを制したときのように、対戦相手の戦力が拮抗していたり、もしくはJリーグクラブの方がサッカーの質で凌駕していた時代は終焉したのだ。
広州恒大は資金力に物を言わせて、圧倒的なタレント性を持つ外国人選手を揃えている。脇を固める中国人選手たちも代表クラスがズラリ。アジアではひとつ抜きんでた存在となりつつある日本代表ではあるが、そのほとんどは活躍の場を海外に移しつつあることを踏まえると、認めがたいことではあるが、クラブレベルでは如何ともしがたい戦力差が横たわっている。
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