イレブンミリオンプロジェクトとは何だったのか?
澤山:ただ、この状況をいったい誰が招いたんだという、根本的なところがあまり問われていないですよね。
宇都宮:そこですよね。「イレブンミリオン」とか、僕はけっこうデカかったと思うんですよ。失敗して……失敗って言っていいよね、あれは。
【Jリーグイレブンミリオンプロジェクト:2007年より開始した「2010年に年間1100万人の観衆」を目標とした広報活動。2010年の総入場者数864万5762人】
澤山:目標が未達だった以上、成功とは言えませんよね。
宇都宮:それによって、責任追及というのもなく、旗振り役だった当時のチェアマン(鬼武健二氏)も今はJリーグにはいないでしょ。
もうひとつ言うと、Jリーグの放映権をスカパーに一括でしか売るしかないっていう状況というのも、もちろん当時としては致し方ない部分もあったのはわかるんだけど、「一般への露出が減った」という部分では、明らかにしわ寄せがこっちにきているかなという気がしますよね。
澤山:間違いなく。企業で言ったら今までの経営の結果がこういうふうに出ているわけですよね。これについて、PDCAサイクルが回っている感じがしないし、誰も責任を取っている感じもない。
そして繰り返しになりますけど、今後この状況を切り開いて行くにあたって、これまで大きなお金を落としてきた既存顧客にきちんと記者会見もないというのはどうにも解せないです。
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