アウェイでは5戦4勝1分と強さを発揮
したがって選手たちはかなり前向きだ。広州の前に何もできずに終わった1-4ではなく、失点するまでの50数分間、すなわち試合の半分以上の時間で相手を押し込んでいた。「あそこまで差が開く試合じゃなかった」とは菅野孝憲の言葉である。
失点シーンも守備網をズタズタに切り裂かれたのならば意気消沈、自信喪失をしてもおかしくないが、全体のラインが間延びしてスペースを突かれたことや、相手への寄せが遅れたことが原因であり、3、4失点目などは明らかにミスから、つまらない失点を喫した。
第1戦の内容から選手たちは手応えや自信を覗かせつつも、前回の敗因を受け止めて、猛省し、「決めるべきところで決める」(工藤)、「苦しい時間の時はFW陣を引かせてブロックを作って対応してもいい」(鈴木大輔)ということを話している。
漠然と「諦めない」と、奇跡だけにすがるような気持ちで臨むのならば無理はあるが、敗因を理解・分析し、その上で次の戦いに生すという気概が感じられる。
また、今シーズンの柏がアウェイ戦に強いということも、選手たちのメンタリティーにプラスの影響を与える部分は多い。アウェイは5戦4勝1分、得点14失点4に対し、ホームの6戦2勝3分1敗、得点9失点5。
この数字が物語る通り、柏はアウェイで並み居る強豪を圧倒してきた。準々決勝で対戦したアルシャバブは「ホーム全勝」と絶対の自信を持っていたが、柏はそれすらも打ち砕いた。
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