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長友佑都 11年前

進化を続ける長友佑都。なぜ右サイドでも得意の左と変わらぬプレーが出来るのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

徹底された連動したサイドでの崩し

 カリアリ戦での長友は、パスを受けると少ないタッチでボールを離す動きが目立った。しかもパスも、ただ消極的に周りに預けるだけでなく、意図を持って出した。コバチッチに預ければ、自らスペースへと抜ける。

 また前線のスペースへ縦パスを放ち、アルバレスやベルフォディルを外に開かせると、今度は自分が内側へと走り込みリターンをもらう。周囲を使い、また周囲に使われ、そうして出来たスペースの間に入り込むように、彼は攻撃参加を繰り返した。

 これはマッツァーリ監督が、ピンツォーロ合宿の頃から念入り叩き込んでいたメカニズムである。サイドアタックもただWBに上下動をさせるだけでなく、インサイドMFやFWも参加させ、連動して崩す。この動きは左右両方で共通し、基本的なチーム戦術として練習させられていたものだ。

 その動きに沿うことで、長友は点へと絡むことが出来たのだ。ベルフォディルの頭を正確に捉えた前半23分のクロスは、アルバレスとのパス交換から放ったもの。そして後半30分のアシストも見事な連係の産物だった。ファーへと流れた左クロスを拾い、パラシオに預けたあとでゴール前へと鋭角に走り込み、パスを呼び込んでいる。

「いい感じで周りの選手も動いてくれて、本当に僕自身やり易かった」と長友は語っている。アルバレスやパラシオとはいざ知らず、久しぶりに実戦に出たベルフォディルのような選手ともスムーズに絡むことが出来た。それだけマッツァーリ監督の指導が各選手に、そして長友自身に浸透している証拠だ。

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