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Jリーグの試合はなぜスタジアムが満員にならないのか? 求められる「楽しすぎた、やばい!」の創出

text by 編集部 photo by Tomoya okajima

90分間以外の楽しみをどうつくるか

 しかし、それと同時に、やはり試合以外の魅力を提供することにもっと力を注いでいくべきだろう。これは、日本が他のスポーツ先進国に比べて遅れていると言われる分野でもある。

 応援しているチームは負けた。でもまた絶対来なければと感じてもらえるようなきっかけづくり。それは、「試合前に選手と触れ合うことができた」「試合前のイベントが大盛況だった」といったクラブ側の運営努力によってもたらされるものかもしれない。

また、「サポーターの盛り上がりが最高だった」「たまたま隣に座ったベテランサポーターの人のクラブ愛に感銘を受けた」などといった、我々一般サポーターによってもたらされる満足かもしれない。

 例えばアメリカ一の人気を誇るNFL(アメリカンフットボール)の試合では、試合開始直前にスタジアムに入る人は少なく、たいていは数時間前にスタジアムに入り、グッズショップを眺め、スタジアムグルメを堪能し、酒を飲んで気分を高揚させ、テラスに横になりながら展望を語り合う。

試合後は、時に祝杯、時に反省会を、ファン同士酒を飲みながら語り合う。こういった光景が日常化されているという。彼らは、こうやって試合以外の楽しみを満喫しながら2週間に一度のホームゲームを堪能するのである。

 サッカーにおいては、90分という試合時間は万国共通である。この90分以外の楽しみをいかに提供し、味わうことができるかが、満員の熱狂的なスタジアムの創出に向けた鍵になってくるだろう。

 満員のスタジアムへの道のりは前途多難かもしれないが、現状の集客率と向き合い、こういった小さな努力をクラブ・サポーターが地道に行っていけば、無理難題ではないはずだ。

【了】

提供:徹マガインディーズ

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