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香川真司 11年前

マンU敗因は香川の交代にあらず。WBA戦でのモイーズ監督の失策とは?

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

攻撃面では采配ミスとは言えない

 そして、香川が下がった後半に試合は動く。

 54分、カウンターのシーンでウェストブロムのアマルフィタノが、ハーフライン手前でボールを受けるとドリブルで運ぶ。その時ユナイテッドの守備の人数は足りているものの、リオ・ファーディナンドの軽い守備のせいもあり、そのままアマルフィタノにペナルティーエリアの中まで持ち込まれ、ループシュートを決められる。

 57分には、ルーニーが左サイドからのフリーキックで、インスイングのクロスをペナルティーエリアに送ると、誰も触らないままゴールに吸い込まれ、試合を振り出しに戻す。

 しかし、65分にはウェストブロムのアマルフィタノの落としをペナルティーエリアの少し外から、ベラヒノの左足による強烈なシュートが決まり、ユナイテッドは再びリードを許した。

 その後、何度もユナイテッドは攻め立てるものの、決めきることが出来ず試合は終了。決して香川を下げたから、負けたというわけではない。香川と交代で出場した18歳アドナン・ヤヌゼイは素晴らしいパフォーマンスを披露していた。

 攻撃面ではモイーズ監督の采配ミスではないだろう。ダービーの遅い采配の反省を活かしたのか、「前半とは違う事を試そうと思った」と試合後に語るように、積極的な采配は評価も出来る。得点出来なかったのはやや不運な部分もあった。

 そもそもスタメン選考もリスクを負って攻撃的な選考で、香川同様にリーグ初先発を飾った右サイドのナニは、高精度のクロスを中心にチャンスを演出していた。ウイングの選考のせいで負けたというわけではない。

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