埋められない経験値
「チャージをできるポジショニングを取る習慣がついているかが重要。(ポジションを)取り切れていないから、相手にチャージする間がなかったりする。これを日頃からやるんだと、今回の合宿で選手には伝えていた。やろうという気持ちはあっても、ポジショングが取れない。
それ以上に経験のある選手が、こういう当たり前のことを当たり前にしっかり継続してやっている。そのへんは経験値が違う。その差はなかなか埋め切れない」
これは、喜ばしくも悲しいことに、事実だ。W杯・五輪組とそうでない選手には、まだ差がある。
数秒のパスのタイミング、パスを受ける側の1~2歩のポジショニング、ボールを1秒キープできるか2秒キープできるかの差は、小さいように見えて実は大きい。それはナイジェリアとの2試合でも各選手が感じたはずであるし、国際大会になると、それが得点と失点に直結してくることを、W杯・五輪組は体感しているのだ。
例えば第2戦の終了間際、GK山根が蹴ったパスが弱かった時、パスを受ける側の岩清水は『もっと強く速いパスを!』と要求するジェスチャーで両手を強く振って、山根にそれを教示するシーンがあった。ここに大きなヒントがあるように思う。
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