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Jリーグ 11年前

広州戦で突きつけられたJリーグの現実。ACL制覇のための“日程変更”は本当に正しいのか?

text by 川端暁彦 photo by Kenzaburo Matsuoka

短絡的に「日程」を問題にしていいのか

 戦力面の差に加えて、鈴木潤氏の原稿にもあったように日程面での不利があり、柏は大敗を喫した。ただ、その日程にだけ敗因をフォーカスしてしまうのはどうだろうか。そもそも、ACLに勝つこと「だけ」を考えていいのかどうか。

 たとえば、柏と新潟の試合を11月27日の水曜日にでも移動したとして、これを新潟の立場から考えてみよう。土曜、水曜、土曜の3連戦である。この段階で新潟が残留を争っていたら、どうか。著しく不利になることは想像に難くない。

 降格という結末が待っていたとなると、果たして新潟のサポーターは、その判断を「ACLで勝つためには仕方がなかった」と見てくれるだろうか。

 中国が「ACLで勝つために」リーグ戦の日程を柔軟に変更したというのは、客観的事実。ただ、そうやって国内リーグを軽んじてACLを重視することが本当に日本サッカーの、そしてJリーグの利益になるのかというのは議論の余地があるだろう。

 柔軟な日程変更と言えば聞こえはいいが、それだけ国内リーグの価値が低いということである。2年後には2ステージ制が始まり、Jリーグはより過密日程になることが予想される。ACLに合わせて試合を動かすのは、より困難になるのは想像に難くない。

 ACLでは勝ってほしい。それがJリーグの発展にもつながる。ここまでは多くのサッカーファン、関係者が意見を一つにできるだろう。だからこそ「では、どうするのか」という部分は、もう一度煮詰めていく必要がある。

 個人的には、リーグ戦の価値を落とす形でのやり方は好ましくない。だが、このままでは勝てないというのも、そのとおり。苦肉の策としてリーグ戦の代替日を代表期間中に定めてしまうくらいしか手はないのではと思っているのだが、これまた多くの反論が予想されるところではある。

【了】

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