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Jリーグ 11年前

広州戦で突きつけられたJリーグの現実。ACL制覇のための“日程変更”は本当に正しいのか?

柏レイソルがACLで大敗した。単なる1試合の結果だが、そこにはJリーグの現実が如実に表れている。また、敗因の一つとして語られた過密日程だが、安易に“ACL仕様”としていいのだろうか。

text by 川端暁彦 photo by Kenzaburo Matsuoka

監督と選手の二人だけで柏の人件費に匹敵

柏レイソル
ACL準決勝第1戦が25日、日立柏サッカー場にて開催され、柏レイソルは1-4の大敗を喫した【写真:松岡健三郎】

「強い」

 正直な感想である。アジアのNo.1クラブを決するAFCチャンピオンズリーグ、ACL。その準決勝第1戦が25日、日立柏サッカー場にて開催され、柏レイソルは1-4の大敗を喫した。

 日本勢として4年ぶりに4強まで駒を進めた黄色と黒の太陽王の前に立ちふさがったのは、中国超級リーグの新鋭にして、今や東アジア最大のメガクラブとなった「強い」広州恒大であった。

 この日、日立台のゴール裏スタンドは真っ赤に染まっていた。ゴール裏スタンドの座席はクラブが買い上げ、無料で配布されたものだという。レプリカユニフォームまで無償で配られているといった事実は、その有り余る資金力を象徴しているかのようだ。

 チームを率いるのは、かつて世界を制したマルチェロ・リッピ監督。その年俸は約10億円。攻撃陣の核となるMFコンカの年俸はその上をいく。ブラジルリーグ時代にはMVPを獲得しているワールドクラスのタレントと監督の二人の年俸だけで、柏の2012年シーズンのチーム人件費(約20億円)に並んでしまう。そこには、いかんともしがたい資金力の差がある。

 サッカーはお金ではない。とはいえ、お金でどうにかなる部分が多々あるのも、また事実だ。この日も柏のプレーぶりが絶望的に悪かったとは思わない。ただ、それが余計に広州の高額なタレントたちの価値を際立たせることになってもいた。

 柏の今季目玉補強であるFWクレオは好選手である。だが、広州で構想外になった選手でもある。決して軽くない事実だろう。まだアウェイで4点を奪えれば柏にも勝機はある。サッカー的にはまだ分からない情勢だと思っているが、戦力面で広州が一枚上であるという事実までは動かない。

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