味方との連携を1on1に活かす
河治:そして、いざタイミングよく上がった時、内田選手の場合は相手の選手とほぼ1対1にならない。なぜならば、事前に1対1にならずにクロスをあげられる状態を作っているからです。
もちろん相手がいないわけではなく、ここで受ければディフェンスとの距離が数メートルはあるので詰められる前にクロスを上げられるとか、それぐらい上がるタイミングを見ている選手です。
だから普段はディフェンスラインと一緒に動いてファルファンをサポートして、ファルファンが中に入ってスペースが空いたり、ボールが出てきたときにはあがってくる。そういう動き方をしていますね。
藍澤:なるほど、ファルファン選手との関係性が大切なんですね。
河治:ファルファン選手とはすごくいい関係性を作っていると思います。もうひとつ内田選手のすばらしいところはそうしたときに、ただ単にサイドをえぐりながらクロスをあげるのではなく、ちょっと中に入ってボールを渡したい相手の動きをぎりぎりまで見えるように目線をつくっておく。アイコンタクトをとる時間が作れてタイミングを計れる。
縦に仕掛けるサイドバックの多くは、どんなにクロスが正確な選手でもトップスピードで上がってその勢いで上げるので中を見ないケースが多い。練習からここに来ているはずだということで、中を見ずに上げます。
でも内田選手は中を見て、ボールを渡す選手の細かい動き出しとかをみながら一番いいところにクロスを上げることができる。それは先ほど言ったように上がるタイミングがいいから出来る事ですし、内田選手の大きな強みと言えると思います。
藤間:だからyoutubeの内田選手のアシスト集とかでは、香川選手とかみたいにシザースで相手を抜いたりとか、ほぼしない。しないけど、相手につかれたときはすでに解っていて、クロスではなくてグラウンダーのパスとかで通すシーンが多くみられます。