自分のプレーを的確にマネージメントする
河治:1on1といっても、やっぱりサッカーは11対11なのでいろんな周りの状況ってあるじゃないですか。それによってついている選手がパスを出すのか自分でしかけるのか、カットインをしてそこからシュートを狙うのか、状況も違ってくるので、それを内田選手は的確にこういうときはこうしよう、こういうときはこうしようと自分のプレーをマネージメントできるという事ですね。
もう一ついうと、90分の中でこの時間は相手が特に攻めてきて人数がもう一人増えているという様な場面では内田選手は、一人の選手にガッツリつき過ぎるんじゃなくて、ちょっと間を空けてつく、それで突破されそうになると付いている選手を捨ててでも突破を阻止する。
それがいつでもできるようにしておこうとか、あるいは逆サイドから攻められてる時に、本当は右サイドが内田選手の担当だけれども、センターバックが左に寄っているので、内田選手もそれに合わせて中央によって出された瞬間にしっかりボールの位置を見ながら、すっとパスカットに入る。自由を与えない。いろんな状況に応じてできるという事ですね。
藍澤:そんなすごいことやっています? たまに休憩していません?
河治:休憩しているというのは実は大事で、体は止まっていても、頭の中は常に動いて。特にサイドバックのポジションは周りの様子を見るというのが大事なんです。
常に走っていれば良い訳ではなくて、同じ場所にい続けてもいい時間があって、それがサイドチェンジとかでボールが飛んできたらそれに対してすっと入るのが大事。マラソン選手の様にずっと走り続ければいいというものではないんですよ。
でも例外はあって、内田はリベリのマークだからここだけは絶対ケアしておけよって言う場合には、スペースはボランチの選手が見て、リベリのマークに専念しなさいっていうことはあります。
上位のチームと対戦するときには例えばドルトムントならロイス、バイエルンならリベリっていうヨーロッパトップクラスの選手がいるので、そういう選手の場合にはチームとしてはバランスをとりつつも、内田選手はサイドハーフの選手と一緒にリベリは絶対に自由にはさせないとかっていう関係が出てくるわけです。