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日本代表 11年前

ラモス・ジャパンが劇的勝利でベスト8進出。“砂のサムライ”たちはブラジルを撃破し世界に衝撃を与えられるか?

text by 河治良幸

殊勲のPKを決めた松尾「ここで点を取れなきゃW杯に来た意味が無い」

 この大事な試合で決勝のゴールを決めたのが、今大会が初のW杯となる松尾那緒弥だ。「ラッキーだった」と語るPKは、延長戦も残り1分をきった時間だった。GK照喜名のスローを山内がポストし、松尾がゴール前でトラップしたが、ボールがズレて打ち切れず。そこから何とか立て直し、キープしようとした背後をチェチェにチャージを受けると主審はファウルの笛を吹いた。

 蹴る前に一度、相手選手にボールをずらされたが、「そういうことをしてくるだろうなと読んでいた」と振り返る松尾は冷静にGKを観察し、相手が動く瞬間を狙って中央からやや左に蹴った。グラウンダーのボールはGKが残した足をかすめたが、ゴールの左隅に吸い込まれた。

「ここで点を取れなきゃW杯に来た意味が無い。絶対に取らないといけない状況で、初出場だからしょうがないとか、経験がないからしょうがないとは絶対に言われたくないと思った」

 チームの中で最も若い25歳の松尾は試合の前日、同じく初出場の松田と共にラモス監督の特訓を受けていた。そして「明日はおまえが重要になる。どんどん走って前で受ければチャンスになる」と激励されていたが、前向きな姿勢が日本の勝利を呼び込んだ。

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