優勝を逃すも国民から暖かく迎えられた82年W杯
ご存じのように、この4人を揃えた82年W杯スペイン大会で、ブラジル代表は二次リーグでパオロ・ロッシのいたイタリア代表に2対3と惜敗、姿を消すことになった。
サッカーの王国を自認するブラジル国民はW杯では毎回優勝を求めるものだ。この大会でブラジル代表は優勝には届かなかったものの、国民からは暖かく迎えられた。これは異例のことだった。
82年W杯の後、テレ・サンターナはサウジアラビアの『アル・アハリ』の監督となった。そして85年に再びブラジル代表監督となり、86年のW杯で指揮をとった。メキシコで行われたこの大会では準決勝でフランスと引き分け、PK戦で敗れた。この大会が彼にとって最後のW杯となった。
彼が監督として最も輝いたのは、90年からのサンパウロFC時代だ。ライー、カフー、レオナルドなどを起用し、92、93年リベルタドーレス杯、トヨタカップを連覇。91、92年にはサンパウロ州選手権も連覇している。サンパウロFCのサポーターからは「メストレ」(師匠)と呼ばれるようになった。
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