真摯にファンに応える姿勢
非日常である代表での活動を経て、日常であるJリーグに戻った現在。
大阪市此花区にある舞洲のC大阪練習場には、連日多くのサポーターが詰めかけている。その中での一番人気はやはり旬な男である柿谷だが、彼の場合、“瞬間風速的”なファンだけではなく、コアなファンも相当数おり、その層の幅広さには驚かされる。
一人ひとり丁寧にファンサービスをする柿谷に対して、「ホンマに変わった」としみじみ語る、C大阪入団当時から熱心に応援してきたファン。「東アジア杯の韓国戦も現地で観戦した」という筋金入りのファン。
また、徳島の練習場に行けば、「この前、C大阪の練習場に行って、曜ちゃんに会ってきました。娘のことも覚えていてくれて、娘がすごく感激していました」と目を輝かせて報告して下さるファンもいる。
こういった、今後何があっても応援することを辞めないであろうファンが彼を支えている一方、今季に入ってからのC大阪での活躍や代表戦を見て新たにファンになった新規層もいる。柿谷の「プレーの華やかさに惹かれる」そうで、「サッカーの魅力を教えてくれる」という。
2009年の途中にC大阪を離れた際、一度は「C大阪サポーターを裏切った」という思いも持つ柿谷だけに、昨季は復帰にするにあたって、どのように迎え入れられるか心配してもいた。ホーム初出場となった昨季の第2節・G大阪戦で受けた声援は「忘れない」とも話していた。
現在、愚直なまでにファン、サポーターに対して真摯に対応する姿勢は、C大阪の存在を広く認知させたいという思いと共に、自身を再び迎えてくれた感謝の気持ちも、心の隅にあるのだろう。
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