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元エルゴラ編集長による『サッカー批評』批評。縮小傾向のメディアと真実を書きにくいサッカー界の厳しい現実

text by 川端暁彦 photo by Asuka Kudo / Football Channel

深刻な事態にあるJリーグ


【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 同じ座談会の中で『サッカーキング』の岩本義弘編集長は「いまのサッカー界は叩いて大丈夫な感じじゃない。まだまだ脆弱で、サッカー界を叩いてもシュリンク(縮小)していくだけ」と述べている。

 岩本氏の意見に必ずしも同意するわけではないが、その感覚自体は理解できるものだ。特に中小Jクラブの悲壮感は年を追うごとに高まっている印象すらある。

 純粋にピッチ上の事例について論じた記事であっても、「ネガティブな記事を書かないでほしい」とお願いされることもしばしばあったし、中には『J’sGOAL』の記事が後ろ向きだから何とかしてほしいと私に言ってくる方もいた(クラブ担当記者が『エル・ゴラッソ』と同じ方だったからだ)。

 それを滑稽と評するのは簡単なのだが、その必死さにJリーグが直面している深刻な経営的困難を思わずにはいられなかった。そういった現実を見ていると、Jリーグの少々不可思議に見えるであろう制度改革の議論も、笑い飛ばす気にはなれない。

 Jからの分配金が減少すれば、なるほど確かにそれらのクラブは粉微塵に吹き飛ぶのだろう。そもそもそんな脆弱な体制になってしまったこと自体に何らかの失敗を指摘したくもなるのだが、その当事者はすでにJリーグの中にいない。

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