「代表に呼ばれるようになったのは、自分の力だけじゃない」
大分トリニータ時代と現在のFC東京で指導するランコ・ポポヴィッチ監督も「モリゲはフィジカル、技術などプレーヤーとしての能力は申し分ないが、メンタル面でバランスが取れていなかった。私自身も再三、メディアを使って彼を批判してきた」と欠点をズバリと指摘した。
だが、そのセルビア人指揮官が「その問題点が今は改善されている。継続して波のないパフォーマンスを見せられるようになってきた」と太鼓判を押すほど、心身両面での安定感が光っている。
「いろんな人が自分にアドバイスをくれますし、そういう声のおかげで今の自分がある。僕がこうやって代表に呼ばれるようになったのは、自分の力だけじゃないってすごく思います。これから代表に定着していくためにも、つねに安定した力を見せ続けることが大事。
代表での自分にはまだグアテマラとガーナしか自分の中で比較材料がないし、本当に自分が上のレベルでできるかもからない。そういう状況ですけど、自分が入ることによって何らかのメリットをチームに与えられるようにしたいと思いますね」と森重は淡々と未来を見据えていた。
9カ月後に迫った2014年ブラジルワールドカップで勝ち上がることを考えた時、森重のようなアフリカ人にも見劣りしない身体能力を持つDFの存在はやはり必要不可欠だ。日本代表の守りの不安を解消すべく、彼には飽くなき前進を続けてほしい。
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