改善が見られた水戸戦のロチャと宇佐美
宇佐美を軸とする前線の模索は天皇杯2回戦のFC今治戦前から始まっていたが、天皇杯では宇佐美とコンビを組んだ平井将生が攻守双方で機能せず、宇佐美の攻撃の輝きまで消え失せる有り様。
走力とスタミナには課題があるものの、後半途中からロチャが投入されると攻撃面に関してはやはりブンデスリーガ経験コンビの息はピタリあっており、宇佐美も見違える動きの良さを披露した。
現状では宇佐美とロチャをファーストチョイスにせざるを得ない水戸戦は、敗れれば首位陥落の可能性もあった重要な一戦。キックオフの笛が鳴ったわずか十数秒後、ボールを持つ相手CBにロチャが全力で寄せにかかる場面に、確かな守備意識の改善は予兆として現れていた。
結果5-0の圧勝となった一戦を水戸の柱谷哲二監督は「最悪のゲームをしてしまった。走らない、戦わない、ミスをしても人のせいにする酷いゲーム」と吐き捨てたが、水戸が自滅したというよりはG大阪の守備意識の修正力に、良さを消されたのがワンサイドゲームを招いた一番の要因ではなかったか。
水戸の組み立てを担うワンボランチの西岡謙太をフリーでプレーさせなかったG大阪の前線からの守備は、まだぎこちなさと、時折さぼるロチャの心もとなさを課題とするものの、確かな改善を見せていた。
特に宇佐美に関しては指揮官が「取られても自分で取り返すというシーンがあった」と高く評価したように、再デビュー後最も攻守でハードワーク。
「今まで出来ていなかった分、少しでも守備が出来ればチームのためになる」と試合前から話していた通り、献身的な姿勢を随所に覗かせた。
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