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宮市はウォルコットになれるか? 成長の鍵を握る“右サイド”でのプレーが負傷を減らす可能性も

text by 内藤秀明 photo by Asuka Kudo / Football Channel

右サイドでのプレーがケガを少なくする

 そして今後、重要になっていくのが右サイドのプレーだ。

 ベンゲル監督は今季CLプレーオフで宮市を右サイドで起用した。U-21プレミアリーグでも同様に右サイドでの起用。これが意味するのは、宮市をウォルコットにようにフィニッシャーとして伸ばそうとしている可能性があるということだ。

 現時点で宮市は、左サイドで縦に運んでスピードで抜くアタッカー的なスタイルを得意としている。ただこのボールを長く持つスタイルでは足が速い宮市に対して遅れてタックルが入り、壊されてしまう可能性もある。実際、ドリブル中に何度も宮市は負傷してしまっている。

 であるならば、右サイドで基本的にはボールをすぐに放し、中央へ斜めのランニングで相手DFの裏を狙う。そして俊足を活かし相手を引き離した状態で、右足でファーサイドに強いシュートを放つウォルコット的な得点パターンを身につければ、強引なドリブル突破をする必要もない。このスタイルなら接触プレーによる負傷に悩まされることが減るだろう。

 実際、U-21プレミアリーグで宮市は、斜めのランニング、いわゆるダイアゴナルランで、DFの裏のスペースを狙う意識が高かった。このボールを持っていないときのランニングの質が向上すれば、ウォルコット同様に得点が増えていくかもしれない。

 その得点パターンを身につける鍵は、飛び出しのタイミングもそうだが、より意識しなければならないのは強いシュートを狙うということだ。

 20代で、パスセンスの劇的な成長は望めないかもしれないが、強いシュートを打つために上手くミートさせる能力の改善は可能だ。ウォルコットもここ2年前後で劇的に強く打つ能力が成長し、精度はまだ改善の余地があるが、得点は増えた。宮市も意識すればシュート力は向上し、得点能力は上がるとみていい。

 エジルが加入したとはいえ、チェンバレンもポドルスキー負傷で離脱中。現状の2列目は手薄な状態だ。今の内に少しでも試合に出場し、実戦で右足の強いインパクトのシュートを心がける。それが今後のレギュラー奪取への鍵だ。

【了】

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