潜在能力は間違いなく高い
アーセナル所属の宮市亮が今季ここまでトップチームではCLプレーオフ1試合しか出場が出来ていないのは、コンディションの問題だけではなく、能力にいくつかの課題を抱えているからだ。
とはいえ、宮市が大きなポテンシャルを秘めているのは間違いない。非凡なパスセンスや、多彩なフェイントはなくとも、基準以上の技術を持ち合わせていて、何より爆発的な加速力は何にも代え難い武器だ。
なにより若手育成に定評がある名将アーセン・ベンゲルが、期限付きでこそ他のチームに移籍させるが、完全に手放そうとしないのがなによりの証拠。
ただ、宮市はまだ20歳。同じタイプのイングランド代表FWセオ・ウォルコットも20歳の頃は、良いパフォーマンスを披露出来ていなかった。
当時のウォルコットは、スピードに乗ったドリブルは素晴らしいが、それ以外のプレーはかなりお粗末。すぐにボールを失い、スピードにのったドリブルで相手を抜き去っても精度の低いクロスばかり。10代の頃からプレーに変化が見られないことから、その能力に懐疑的な見方をされ始めていた。
しかし、徐々に右足からの強烈なシュートというスピード以外の新たな武器を手にし、2012-13シーズン途中からその得点力が開花。スピードにのって裏に抜け出して、右足で強いシュートをファーに打つという得点パターンを確立した。
シーズン序盤は契約問題で揉めていたために、試合に出場出来ていなかったにも関わらず、自身初のリーグ戦二桁得点となる14得点をたたき出し、チームを牽引した。
そして、この同タイプのウインガーの成長曲線を見る限り、宮市の現状を過度に問題視する必要はないだろう。むしろ、ここからの成長が宮市のキャリアを大きく左右するのではないだろうか。