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堅実な守備では高評価も攻撃には課題。今、内田篤人に求められていることとは何か?

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

誰にどうボールを付けるか

 シャルケにとってガーナ代表のボアテングが加入したことは大きな戦力アップであり、前の迫力は確実にアップした。

 ホルトビーの移籍後、しばらくトップ下を務めていたドラクスラーも左サイドに戻り、ワイドな位置を根城に流動的なポジショニングでボアテングや1トップのフンテラール、あるいはアダム・シャライの周囲を使い、チャンスを生んでいる。

 右のファルファンと合わせ、欧州でもトップレベルのセカンドアタッカー陣が揃った形だが、彼らをどう活かすかは後ろからのビルドアップとフォローにかかっている。内田はシャルケにおいて、ビルドアップの段階では日本代表よりボールを触る頻度が高い。

 ボランチの遠藤、長谷部、トップ下の本田がトライアングルを作り、そこに左から香川も入ってくる日本の中盤に比べ、シャルケの中盤はスクエアに広く展開することを重視する。しかも、右ボランチがセンターバックの右横に引くことが多く、内田はその前に出てボールを捌くことが多くなる。

 そこで内田が誰にどうボールを付けるかが、チャンスの布石として非常に重要なカギになる。縦が詰まっている状況では、相手の守備を適度に引き出しながら、中に戻して縦パスを引き出すが、前が空いていれば素早く縦パスをファルファンやボアテングに付けて、彼らの仕掛けを促していくことが求められるのだ。

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