磨き上げられた戦術眼
もっとも相手のコンテ監督も修正は早く、前半でイエローを喰らっていたリヒトシュタイナーを下げ、後半頭からイスラを投入。54分にはカウンターで飛び出した彼に個人技で抜かれ、ピンチになりかけた場面もあった。
トリッキーな個人技で揺さぶりを掛ける相手には弱さを見せることもある長友だが、しかしその後は安定。念のためペレイラもアップさせていたマッツァーリ監督も、「後ろは守りきれる」と判断し、68分からはイカルディを投入して2トップに変更。そして先制弾をもぎ取っている。
先制に成功したインテルは直後に追いつかれたものの、個々の力量で上回る相手に内容で上回った末に、価値あるドローを奪取。そのベースは「試合当日の朝もグラウンドに出て確認をしたぐらい(長友)」に徹底したという戦術の詰めにあり、長友はその上でも重要な駒としてマッツァーリ監督の信頼に応えていたのだ。
守備における戦術眼をこのまま磨ければ、攻撃力をアップさせても守備で破綻は来さず、代表で本職のSBに戻った際にも不安はなさそうというイメージが沸く。
とはいえ、ボールを持って単独で仕掛けるシーンでいい結果に結びつかなかった場面もところどころあったのは、今後への課題か。地元紙の中には低評価を下したところもあったのは、その反映と言える。ともかく、圧倒される試合も多かったユーベ戦で互角以上に闘えたことは、インテルと長友個人にとっても、成長への大きな自信となるはずだ。
【了】
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