スター選手なら年俸数千万円!? 一方で給与の未払いも…
タイ国内リーグの盛り上がりが日本にも伝わって、タイに目を向ける日本人選手は増えている。だが一方で、「実際に来てから、え?となるケースがあまりにも多い。日本とは違うということを理解してもらいたい」と真野氏は語る。
真野氏があげるトラブルの一つがビザの問題だ。本来、外国人がタイで働くには労働ビザ(ワークパミット)が必要だが、取得にはかなりの手間がかかる。
「プレミアリーグでも出さないチームがある。事前に出さないと言ってくれるのはまだいい方で、出すと言って出さないケースが問題になる」
金銭面でも給与の未払いや減額なども起こるという。真野氏は「(過去の情報から)そういった間違いが起こらないチームと契約するのがベストの選択」と話す。経済発展に伴って財政的に豊かだと思われがちだが、「まだまだ環境が整っていない部分がある。現実に関してもしっかり伝えていきたい」。
もちろん、資金力があるチームは選手への投資を惜しまない。タイ代表のエースストライカーでムアントンユナイテッドのテラシルの年俸は、日本円にしておよそ2,000万円とも言われている。
Jリーグのトップクラスの年俸には及ばないが、それ以外の選手にとっては「(J2やJFLなど)日本ではもらえない額のお金がもらえることもある」という。また、タイでは地域の政治家などがチームを支援している場合もあり、「ディビジョン1のチームでもプレミアリーグより年俸が高い場合がある」と話す。
Jリーグのアジア戦略と相まって、タイの選手をJに呼ぼうという動きもあるが、例えばテラシルに同等の年俸を約束するクラブが日本にどれだけあるか。
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