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アジア 11年前

給料未払いがある一方でスター選手には年俸数千万。日本人関係者が語るタイのサッカー事情

現在、タイにはトップリーグのタイプレミアリーグ、その下のディビジョン1、地域リーグにあたるディビジョン2を含めると、40名近くの日本人選手が活躍している。そして、彼らの挑戦を後押ししようとする日本人もいる。今回は、そんな裏方の日本人を紹介したい。

text by 長沢正博 photo by Masahiro Nagasawa

選手引退後にアパレル販売で成功、再びサッカー界へ

 ララクラシコという会社で代表を務める真野浩一氏は元々、フットサルチームのトライアウトを受けるため2008年にタイへやって来た。

 手探りの状態から契約を勝ち取り、プロリーグで1シーズンプレーした後、「タイに来たのはフットサルのためだけではなく、引退後にも生計を立てられるビジネスチャンスを探していた」(真野氏)と、学生時代から続けていた洋服のネット販売で成功。やがて、バンコクの有名ショッピングセンター・ターミナル21に店舗を構えるまでになった。

 そして、2012年末からサッカー留学の斡旋などで日本の大手・ユーロプラスインターナショナルと提携して、タイに遠征するチームの現地コーディネートやフットサル、サッカー選手のトライアウトコーディネート業務を開始した。

 現在、エージェント契約を結んでいるのはクルントンブリFCの溝ノ上一志選手(元FC琉球)とゴルブレックスFC(いずれもディビジョン2)の鶴見正樹(湘南ベルマーレユース出身)選手。今はタイの移籍市場は閉まっており、来季に向けて選手の情報管理を進めているという。

 また、タイプレミアリーグのBECテロ・サーサナ所属の下地奨選手もアドバイザーとして真野氏の活動をサポートしている。下地選手はサガン鳥栖を経てパラグアイ、ブラジルでプレーし、今季開幕前にトライアウトで入団。7月にはチェルシーと対戦したシンハーオールスターズにも選ばれるなど、チームの主力として活躍している。

「彼とは同じ(青山学院)大学出身で年齢が一緒ということもあり、共通の知人が多かった。アパレルのモデルにもなってもらうなど、一緒に仕事もしていました。海外経験の豊富な彼には、海外で成功するのに必要な心構えを選手に伝えてもらっています」(真野)

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