長友ここにあり、を示した試合
エシアン、プリンス・ボアテング、アンドレ・アイエウ、クアドオー・アサモア、ワカソ・ムバラクといった本来の主力が来日せず、戦前は“飛車角落ち”とも言われたガーナだったが、アッピア監督が「甘く見ないでほしい」と語った通り、チームとしても個人レベルでもタフな相手だった。
後半、香川のゴールを皮切りに、相手の足が止まったところで逆転に成功し、最終的には3-1と勝利した。しかし、局面の1対1やコンタクトプレーでは劣勢を強いられ、今野泰幸はアツの単独突破を許し、柿谷曜一朗はセンターバックをスピードで振り切れず、強靭なボディバランスを誇る本田圭佑ですら大型MFチブサーの厳しい当たりで、何度もボールをロストした。
そうした状況にあって、ほとんどの1対1やコンタクトプレーを制したのが左サイドバックの長友佑都だ。今回のガーナ代表の中でも屈強で、185センチとサイズも大きいアドマーに怯むことなく挑み、地上戦では正面きっての競り合いにも勝利した。香川の先制点をアシストしたこともそうだが、改めて“長友ここにあり”を示した試合ではないだろうか。
「2009年にガーナとやって、フィジカルの強さに衝撃を受けたんですけど、今日がそのレベルだったのかというと、ちょっと自分自身で分からなくて。僕もトップレベルの選手とやれることで、感覚がマヒしているかもしれない。今は負ける気がしないというのもある」
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