フェアではない柿谷と大迫のポジション争い
6日のグアテマラ戦でも試合終盤にフォーメーションを変更し、3バックへと移行。この試合も後半34分に森重真人を投入し、4バックから3バックへ。短い時間ながら3-4-3で戦った。
W杯本大会を勝ち抜く上で、オプションとして複数の戦い方が出来るのは日本代表にとって大きな武器となる。数少ない代表戦を意義あるものにすべく、3バックを試行すること自体は評価できる点だ。
だが、グアテマラ戦同様、十分に機能したとは言えない。相手の圧力が序盤と比べて弱まったこともあり、ボロは出なかったが、攻撃の組み立てはかなりぎこちないものだった。3-4-3の利点はサイドで数的優位をつくりやすいことだが、それが見られた場面は少ない。
オプションとしてはまだ使える段階にはない。「やっただけ」という感は否めない。
また、残念だったのは、大迫勇也を投入したときに3バックとなったことだ。大迫はグアテマラ戦でも本田不在時に起用された。ガーナ戦でも、ザックジャパンの軸となる4-2-3-1でプレーしたのはわずか4分間だった。
柿谷はまだ荒いが可能性を感じさせた。だが、十分にフィットしているとは言えず、チーム力を向上させるためには常に新たな才能・可能性を求めていく必要がある。この日の選手起用はまるで柿谷と大迫の序列が決まっているかのようだった。
日本代表をさらに成長させるためは、選手一人ひとりが成長しなくてはならない。そのためにはチーム内で厳しい競争をしていくことが必須だ。せっかく新戦力が台頭してきてもフェアな競争を促すことが出来なければ、チーム力はアップしない。
代表の将来を担うであろう柿谷と大迫。この二人の可能性、この二人がいることで広がる可能性がイタリア人指揮官に見えているのか疑問の残る選手起用だった。
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