ボールウォッチャーになってしまった先制点
グアテマラ戦に快勝し迎えたガーナ戦。何人かの主力選手は来日しなかったが、欧州で実績のある選手を揃え、前回W杯でベスト8入りしたガーナが相手とあって、本大会へ向けて一つの試金石と言える試合だった。
9月の連戦で、ザックジャパンは2つのテーマを持っていた。守備の再構築と新戦力との融合だ。
守備の再構築は残念ながら及第点に届いていない。攻撃陣も含め、前線から積極的に守備をこなしていたが、それはこれまでも出来ていたことで、むしろザックジャパンの武器だったこと。
課題は、ボールロスト時や押し込まれた場面でいかに安定して守るか、だったはずだが、カウンターで簡単に失点。しかも人数は足りていた。緊急時に複数人がボールに集中してしまうのは仕方がないが、ボールよりも遠い位置にいた選手も釘付けになってしまった。
ボールウォッチャーになってしまっていたし、「人数で上回っていることによる」という危機感のなさを感じさせる緩い守備だった。たった1点とはいえ、こうした失点が緊張感のある試合の勝敗を決める。猛省して欲しい。
そしてまた、ザッケローニ監督は3バックを試したい意向があったようだ。
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