大事な国の産業を支えるカカオ農家が隣国に移住し…
先日のグアテマラはコーヒーで有名だが、ガーナと言ったらチョコレート。某菓子メーカーが国名を冠した板チョコを発売してから50年間、その地位は揺るぎない。
まったくの偶然だが、今回キリンチャレンジカップに来ているガーナとグアテマラは、チョコレートの原料であるカカオで繋がっている。カカオの原産地はグアテマラとメキシコ周辺で、マヤ文明よりもっと前のオルメカ文明の遺跡にも炭化したカカオの実が見つかっている。ガーナでカカオ栽培が始まったのは1879年。ガーナの紙幣にもカカオの絵や透かしが入っている。
ガーナと隣のコートジボワールは、サッカーでもライバル同士だが、カカオにおいてはさらに昔からライバルだ。両国ともにヨーロッパの有名チョコレートブランドとのコラボでイメージアップも欠かさない。今のところ、ドログバをカカオ親善大使にしているコートジボアールが優勢だ。
ガーナのカカオ生産量は、コートジボワール、インドネシアに次いで、現在世界3位である。今、ガーナで問題になっているのが、国境付近のカカオ農家が、国の情勢や税金を理由に、コートジボワールに移住してしまうことらしい。カカオを大きな輸出産業としている国にとっては死活問題だ。
というわけで、ステマではないが、観戦のお供に「ガーナチョコレート」でもいかがだろうか。
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