柿谷曜一朗も国外ではまだ無名に近い存在
前線は従来のエースであるギャンが外れたものの、ロシアの名門スパルタク・モスクワで主力を張るワリスは非常にスピードがあり、一瞬でも前を向かせてはいけない危険な存在だ。さらに注目したいのが昨季ガーナリーグの得点王であるオトー。驚異的な身体能力を誇り、GKを嘲笑う様なシュートは脅威だ。
21歳のオトーは現在、ノルウェーのソグンダルに所属する。遠からず誰もが知るビッグクラブに移籍すると予想されるが、多額の移籍金を残していけば、このクラブには先見の明があったということになる。
立場を変えれば、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの柿谷曜一朗も現時点で国際的にはほとんど知られていないと見られるが、普段から彼のプレーを見ている日本のファンなら、その実力が従来の主力に勝るとも劣らないことは理解している。シンプルに例えれば、オトーはそういう資質を持ったホープと言っていい。
思い起こせば2010年の4月、南アフリカW杯を2カ月後にひかえた日本代表はセルビアの“B代表”にホームで0-3の惨敗を喫した。その後、本大会でベスト16に進出する当時の岡田ジャパンにとって、大きな転機となった試合だが、その時に初の先発で多大な存在感を示したのが、今やウディネーゼの守護神に君臨するブルキッチだった。
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