アピールすべき個の対応力
後半19分には相手の左サイドからロングボールが出され、ワイドに開いたカンポージョが受けようとしたが、そこに森重が厳しく密着し、ボール際ではまともにジャンプさせることなくヘッドクリア。セカンドボールは相手選手に渡ってしまったが、直後の攻撃は中盤の守備によって摘まれた。
その8分後にはカンポージョの位置にラインを合わせながら、手前に生じたスペースに10番のMFコントレラスが侵入して縦パスを受けようとしたところに、飛び出してトラップ際のボールをカットした。
今野が入り3バックの中央にシフトしてからも、GKからのロングフィードを巡り、カンポージョと競り合いながらヘッドで大きく跳ね返すなど、ラインコントロールや吉田との距離感を意識しながらも、持ち前の対人能力を発揮し、カンポージョをターゲットとしたグアテマラの攻撃を限定した。
ミックスゾーンなどで森重と話していると、失礼ながら本当に183センチあるのかな? と思ってしまう。しかし、試合中に見せる彼の空中戦の迫力は、時に190センチの選手をも上回る。グアテマラ戦では国際的に無名ながら、危険な大型FWをしっかり封じることができた。
今後はさらにレベルの高いFWを相手に存在価値を示すことで、主力定着の道は開けていくだろう。厳しい試合になるほど連係面での課題は出てくるはずだが、個の対応力はザッケローニ監督にアピールするべき絶対的な武器でもある。
「自分がいけるときはしっかりチャレンジしたい」
10日のガーナ戦ではスピードのあるワリスと昨季ガーナリーグの得点王であるオトーが相手になるが、ここで再び高い対人能力を発揮し、10月の東欧遠征につなげていけるか。相手が強くなればなるほど真価が問われる森重に注目だ。
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