スパーリングにすぎないグアテマラ戦
グアテマラのレベルの相手とはW杯では対戦しない。W杯を想定したテストになるのは次のガーナ戦だ。W杯ではコンフェデ杯で対戦したような強豪国とも当たるけれども、そこに負けてもベスト16には入れる。
前回もオランダに負けたがグループリーグは突破できた。しかし、ガーナのクラスに勝てないとベスト16は難しい。コンフェデ杯3戦とウルグアイ戦はベスト8への準備だったが、ガーナ戦はベスト16へのテストになる。
グアテマラ戦はガーナ戦へ向けてのスパーリングにすぎない。試合勘の鈍っている香川や長谷部を長い時間プレーさせ、森重、工藤、大迫、青山の新戦力を試した。「楽しんでプレーしていたのが良かった」とザッケローニ監督が話していたように、気分よくガーナ戦に臨むことも目的だった。ただ、それ以上の意味は見いだしにくい。
コンフェデ杯からの対強豪4連敗で問題になったのは失点の多さだが、グアテマラ戦はその課題修正のための試合ではない。
「前線がよく守っていたのでグアテマラは深いところまで入れなかった。格上にも継続してできるようにしたい」(ザッケローニ監督)
確かに前線からのプレスはよく機能していた。ポゼッションして押し込み、失ったらただちに前からプレスして苦し紛れのパスをカットする、この相手陣内での守備は良かった。しかし、これに関しては強豪国にも通用していた。
強豪相手に失点したのは、自陣に押し込まれている状況でのミスやハイクロスからなのだ。前線のプレスが効かない、あるいはできない状況の守備が課題であって、それがどうだったかはグアテマラ戦では判断のしようがない。
ザッケローニ監督は強豪相手でもグアテマラ戦のように守りたいと言っているが、そうできないから失点を重ねていたわけだ。前線のプレスうんぬんは、対強豪国における守備の修正点ではないし、グアテマラ戦で修正ができたことにもならない。