八百長で代表キャプテンが追放
FIFAランキングだけを参考にするならば、グアテマラ代表のレベルは日本よりはるかに下ということになる。ただし、国民の男子のほぼ100%がサッカー好きと言っても過言ではない。老いも若きも、そこらじゅうでボールを蹴っている。ポテンシャルは十分だ。
今も昔もサッカー選手は少年たちの憧れだ。そんなグアテマラサッカー界を揺るがす大事件が起きたのは、昨年のこと。もっとも、事が発覚したのはもっと前で、制裁が下されたのが昨年末だった。
国際サッカー連盟(FIFA)は、八百長に関与したとしてグアテマラ代表の3選手をサッカー界から永久追放処分とすることを発表したのだ。その中には、MLSで活躍するグアテマラ代表キャプテンもいた。
彼らは、自分たちの所属するクラブチームの試合と、国際試合で罪を犯している。対象になった試合は特定されているが、八百長により勝利した相手チームが関与していたかどうかは、いまだにわかっていない。彼らもこの先口を割ることはないだろう。
昨年夏のロンドン五輪で、グアテマラスポーツ界に明るい話題が飛び込んできた。グアテマラ人初の銀メダリストが誕生したのだ。
男子20キロ競歩の銀メダリスト、エリック・バロンド選手は、「この銀メダルがグアテマラの子供たちに勇気を与え、彼らが銃やナイフを置き、その代りにトレーニング・シューズを手に取ってくれればいい。そうなったら自分は世界一の幸せ者だ」とコメントしている。
治安の悪さや、犯罪に手を染める体質の理由の一つには、長く続いた内戦や貧しさもある。それでも、サッカー界やグアテマラのスポーツ界は、教育の一環としてのスポーツの取り組みに希望を見出している。
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