自由を鼓舞する国歌
これだけマヤ満載の国なのだが、国歌に出てくる古代文明に関係する単語は、残念ながら国鳥のケツァルのみだ。それも、だいぶ後の方である。スタジアムで聴くことになる一番の歌詞は、グアテマラの独立を讃え、自由を鼓舞する内容だ。
グアテマラに幸あれ!
敵の侮りを受けず
残忍なる暴君の支配も受けず
明日 聖なる大地を脅かす外敵あれど
美しき旗は自由を呼ぶだろう
戦いに勝利しても たとえ死しても
軽快なトランペットのファンファーレで始まる『グアテマラ国歌』は、1896年に政府によって開催されたコンテストで決定した。作詞はホセ・ホアキン・パルマ、作曲はラファエル・アルバレス・オバーリェ。パルマは、キューバ出身の詩人である。後に、血腥い文脈が一部ソフトなものに変更されている。
マヤ文明の栄えたこの地がスペイン領になったのは1524年のこと。その後19世紀初頭に独立運動が起こり、1821年9月15日に独立を宣言する。その日付は、国旗中央にある国章の中の羊皮紙の巻物に、自由(LIBERTAD)という文字と共に記されている。
その後ろには、交差したライフル銃とサーベルがある。これは、「祖国の自由を守るためならば、戦いも辞さない」という強い意志を表している。それを栄光を象徴する月桂樹で囲ってある。
先述した国鳥ケツァルは、上記の巻物にとまっているので確認してみてほしい。実際にもとても美しい鳥だ。エメラルドグリーンで描かれているが、本物の鳥はお腹の部分の毛が赤い。ケツァルは古の時代から、神の化身として彼らを見守ってきた。
【次ページ】八百長で代表キャプテンが追放