カギを握る2人のレギュラー選手とは?
この守り方で、中盤においてうまくプレッシャーがかけることが出来なかった場合、パスの出し手は余裕をもって高精度なボールを供給することが可能となる。するとDFは裏をとられるのを恐れ、ラインを上げにくくなる。結果、全体のコンパクトさが損なわれ、ディフェンスが機能しなくなるという恐れがあるからだ。
それを防ぐためにはワニャマの中盤での潰しは欠かせない要素だと言っていい。吉田は勇気を持ってラインを上げられるだろう。
そして、攻撃面で鍵になるのがジェームス・ワード=プラウズ。若干18歳のイングランドU-20代表で今季注目の若手選手だ。開幕3戦全てスタメンで出場している期待のホープは、小柄なテクニシャンタイプ。ドリブルもパスにも独特のリズムがあり、今シーズンのサウサンプトンの攻撃のリズムはワード=プラウズによってもたらされている部分は多い。
ポジションは右ウイング、もしくはセントラルMFとして出場しているので、右CBの吉田が多くの効果的な縦パスを彼に供給出来ればサウサンプトンのチャンスは増加するだろう。
攻撃陣との連携が密になれば、ポチェッティーノ監督の評価を上がる。もともとパス出し能力は高いだけに、さらなる攻撃の活性化が期待できる。
今週から代表戦の合宿が始まるために、一度サウサンプトンから離れてしまうのはネックかもしれないが、日本代表として試合に出場して、試合勘を取り戻して欲しいところ。代表戦明けすぐのレギュラー奪取は難しくとも、めぐってきたチャンスをしっかりとものにし、10月頃からは出場機会を増やしていきたい。
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