不安定なジョゼ・フォンテ
その吉田が奪い返すべき右CBのポジションでプレーするジョゼ・フォンテはポルトガル国籍の29歳。キャリアのピークとも言える時期にさしかかっている。空中戦に強く、しっかりと跳ね返すことが出来るタイプだが、付け入る隙はある。
欠点は、スピードタイプの選手と対面すると、振り切られてしまうこと。1対1での物足りなさは否定出来ない。CBのコンビは基本的にセットで、そう組み合わせが変わるものではないが、大きなミスを犯してしまえば吉田にチャンスが回ってくる可能性も十分にある。
ポチェッティーノ監督が求める低い位置からの組み立てにも、右CBなら吉田も対応出来ると考えられるので、フォンテからのレギュラー奪取は十分に現実的だ。
吉田がレギュラーを奪還した先では、鍵となる2人の選手がいる。ヴィクター・ワニャマとジェームス・ワード=プラウズだ。
守備面で鍵となるのが、ヴィクター・ワニャマ。ケニア代表MFの22歳で、大柄で球際に強く、中盤で奔走するハードワーカーだ。もしワニャマと吉田が同時に試合に出たなら、吉田の球際の弱さという欠点を補ってくれる可能性がある。
また、彼が中盤でフィルターとしての役割を担う事で、最終ラインを高く設定出来て、よりコンパクトに全体を保てるのだ。
というのも、サウサンプトンは高い位置からプレスをかけ、ラインも高く設定して全体をコンパクトに保ちながら相手選手にプレッシャーをかけてミスを誘発するディフェンスを行う。
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