本田や香川を上回る?
そして、同スカウト氏はこう何度も言った。
「とにかくこいつはいい。紛れもなき本物だ」
さらに、現役時代にはあのマラドーナのマークが仕事だった元DF(現スカウト)も次のように語っている。
「あの手のFWのマークにイタリアのディフェンダーたちが“慣れている”のは事実。だが、柿谷であれば対等に、あるいはそれ以上に渡り合えるだろう。
いずれにせよ、イタリアでもイングランドでもドイツでもいい、大切なのは彼がEL(ヨーロッパ・リーグ)、願わくばCL(チャンピオンズ・リーグ)の舞台でプレーすることだ。一流は最高に厳しい場で鍛えられてこそ超一流になる」
さらにこう明言した。
「本田も香川も実に素晴らしい選手だ。しかし、柿谷の才能はモノが違う。要は次元が違うということだ。マラドーナだけじゃない、プラティニやファンバステンをもマークした私が言うのだから、おそらくはそれなりの信憑性があると言えるのではないか」
まさに日本サッカー界の“至宝”。過度な重圧の掛からぬ場所でその成長を促すべきとの考え方に一理あるのは確かなのだろうが、やはり柿谷ほどのレベルであればさらなる上を、より厳しい闘いの場を目指して欲しいとも心から願う。
もう23歳。バロテッリと同じ齢である。機を待つ時期は既に過ぎ去ったと考えるべきだろう。
【了】