とてつもない額になった市場価値。それを支えるトラフィック社
同時期、ブラジルのサッカークラブの市場価値についての数字も発表された。それによると――。
1位 コリンチャンス 11億8000万レアル
2位 フラメンゴ 8億5540万レアル
3位 サンパウロFC 8億4820万レアル
4位 パルメイラス 4億9640万レアル
5位 インテルナシオナル 4億1290万レアル
6位 サントス 3億7740万レアル
8月末の時点で、1レアルは約41円。コリンチャンスの市場価値は、約454億2800万となる。コリンチャンス、フラメンゴ、サンパウロFCの上位3つが飛び抜けているとはいえ、とてつもない数字である。
こうした数字を底上げしているのが、ロナウジーニョの移籍にも関わった、スポーツマーケティング会社『トラフィック』である。
ジョゼ・アビラ――頭文字の“J”(ポルトガル語でジョッタ)をつけて、ジョッタ・アビラと呼ばれることが多い――が率いるこの会社は、2011年のロナウジーニョ移籍時点で売上額は1億ドルを超えている。
ぼくは『W杯ビジネス30年戦争』(文庫版『W杯に群がる男たち』)を取材中、何度もトラフィックの名前を聞いた。リベルタドーレス杯、各州選手権、ブラジル代表の放映権ビジネスにトラフィックは深く関わってきた。
さらに――。
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