移籍濃厚が一転、残留濃厚となったウェイン・ルーニー
マンチェスター・ユナイテッド対チェルシーは緊張感が途切れぬまま、お互いの守備が機能し続け0-0で幕を閉じた。スターティングメンバーにはルーニーが名を連ね、ユナイテッドサポーターからはルーニーを擁護し、サポートするチャントが鳴り響いた。この日オールドトラッフォードに訪れたユナイテッドサポーター達は、裏切りに近い行動をとったエースを許すという寛容な姿勢を打ち出したのだ。
このサポーターの思いが伝わったのか、ルーニーはピッチで躍動。これを受け現地新聞は「ルーニー移籍濃厚」から「ルーニー残留へ」という予想に覆り始めている。
ルーニーが残留すると、チームでの状況が怪しくなってくるのが日本代表MF香川真司だ。この日もサブに名を連ね、アップこそピッチ脇でしていたが、最後まで出場には至らなかった。ルーニーの残留が確定すれば、香川はトップ下として出場するのは今後難しくなっていくだろう。
ではウイングではどうかと言うと、チェルシー戦におけるモイーズ監督は、ウイングを二枚とも交代したにも関わらず、香川を出場させることなく、バレンシアに代えアシュリー・ヤング。
そしてウェルベックに代えコーチ兼任のベテランライアン・ギグスを投入した。この采配によって、モイーズ監督の「現時点での」香川の評価とチーム内での序列が浮き彫りとなったと言える。
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