代表戦強行出場による影響
とはいえ、ここまでの状況を考えると、もう少し違った開幕前の準備はできなかったのかという疑問も浮かぶ。具体的には14日に行われた日本代表のウルグアイ戦への出場である。香川はこの試合に日本での滞在期間わずか3日という強行日程で臨んだ。
英国に戻ったのは開幕のスウォンジー戦の2日前。シーズン前にチームと帯同する時間が短かったことを考えても、理想的な形でシーズンを迎えたとは言えない。例えばユナイテッドに集中するため、ウルグアイ戦の出場は回避するという手はなかったのか。
確かにワールドカップまで1年未満となり、強化試合は重要であろう。しかし、香川は6月に約1カ月も代表に参加していた。少なくとも日本代表での立ち位置はほぼ明確になっており、それは当面は変わることはない。
一方、ユナイテッドでは新監督が着任し、起用法なども含め、立ち位置が不透明である。今回は日程なども考慮した上で、ユナイテッドでの開幕に備える選択肢は選べなかったのか。
実際、今季からヘルタへ移籍した細貝萌は新天地でのプレーに専念するため、ウルグアイ戦での代表を辞退する決断を下していた。香川がユナイテッドで有意義なシーズンを送ることは本人だけでなく、来年の日本代表にも好影響を与える。
今となっては遅いが、開幕2戦連続で出場機会がない現実を目にすると、そういった先を見据えた視点・選択肢があっても良かったはずだ。
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