悲観的になる必要はない
オフシーズンを退団が噂されたルーニーはチェルシー戦で先発起用されたこともあり、残留する方向に傾いてきたようだ。昨季はファーガソン監督の意向もあり、ボランチや中盤の両サイドでのプレーを要求されることもあった。
しかし、果たしてモイズ監督は同様の起用法を選択するだろうか。ルーニーが最も力を発揮するのはトップ下のポジション。チェルシー戦でのプレーはそれを改めて見せ付けることになった。香川が最も得意とする位置でイングランド代表を使うとなれば、トップ下での出場は限定的になる可能性が高い。
新戦力について言えば、ユナイテッドはモイズ監督の古巣のエバートンからフェライーニの獲得を目指している。ベルギー代表はボランチかトップ下で持ち味を発揮する選手。
トップ下で出場する場合は、高い身体能力を生かしたポストプレーは香川やルーニーとは異なるスタイルだけに、対戦相手や試合状況によってはモイズ監督に新たな選択肢を与えることになる。ルーニーのトップ下への定着、フェライーニの獲得ということになれば、香川のチーム内での立ち位置は微妙になってくるかもしれない。
しかし、昨季は前半戦のけがはあったとはいえ、後半の出来を見れば十分に戦力になることは証明した。チェルシー戦の翌日の新聞でも、0-0の均衡を破ることができる創造的な選手として、チェルシーのスペイン代表マタと一緒に言及されていた。開幕して間もない現在、まだ悲観的に考えるのは時期尚早だ。
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