長谷部への“過保護な扱い”
ただ、ここで気になるのが、ボランチの起用法に関するザッケローニ監督の言葉だ。
「常連とどのように絡めるのか。A代表でどういうことができるのか見極めたい。そこのメンバーのコンディションを見て使っていくかどうか決めないといけない。たとえば長谷部は、所属チームで出場機会が多いわけではないので、ここで使わないといけないなと思っている」
山口や青山が出場するにしても、基本的には長谷部か遠藤とのセットで起用される見通しが強い。そして長谷部は長めの出場が予想されるのだ。正直、特定の選手に対して“過保護な扱い”と言えなくもないが、キャプテンでもある長谷部はそれだけ中心的な選手という評価なのだろう。
そうした事情を踏まえて山口と青山の資質を見極める時、大事なポイントになるのは遠藤と長谷部の足りない部分を彼らがどこまで補えるか、あるいは彼らに無い持ち味を発揮することで、チームにプラス効果をもたらせるかだ。
山口は大きく分けると長谷部と同じ役割を担うと想定できるが、本人も自覚する通り、守備の機動力と厳しさが期待されるところ。実際、ウルグアイ戦でも試合の終盤とはいえ、DFラインの手前をしっかり埋め、相手の5、6点目が入りそうだった守備を中盤の底から引き締めた。
一方で、本来彼が持っている縦の飛び出し、直接的にゴールを目指すプレーはMVPを獲得した東アジアカップも含めて、あまり出せていない。ウルグアイ戦は遠藤を前に押し出す役割でもあったため、攻守のバランスは難しかったが、その試合前には「守備をしかりこなしながらも、攻撃面で持ち味を出していきたい」と語っていただけに、攻撃で自分らしさを出していきたい。
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