ビッグクラブに入る“王道”の手段
――浜田さんは一昨年バルセロナのカンテラへ加入した久保建英君のサポートを行ってますが、率直にいってFCバルセロナでプレーするにはどんな方法がありますか?
ひとつはバルサキャンプを経由する方法です。このサッカーキャンプでMVPに選ばれた選手には、現地のバルサスクールでプレーできる特典が与えられます。久保君も、そのひとりでした。この方法が王道といえるでしょう。
2つ目はバルサスクール福岡校で、バルサのコーチから評価されること。3つ目は、例えばチームとして単独でスペインに遠征する、もしくは個人で行って、現地で評価されることです。ただし、これはもっとも難しい。カタルーニャの大会に出てバルサ相手に際立った活躍をしなければ、スカウトの目には留まりませんからね。そして4つ目に、バルサの元カンテラのコーチがやっているクリニックに行き、そこで評価されてバルサの入団テストを受けるという方法もあります。
いずれにしてもバルサのスカウトやカンテラコーチに見てもらえる可能性のある場所に行く必要があります。
久保君がバルサに入団した以降は、現地で日本人の評価も高まり、昔よりはバルサのカンテラのコーチが見に来てくれるようになりました。現地で評価されるかどうかは別の話ですが…。
――いい選手の条件とは何ですか?
評価基準はクラブによって異なります。それぞれのクラブによって求められるタイプが違うため、一概に「これ」とは言えません。例えば、アーセナルだったら技術だけでなくスプリント能力、つまりスピードが重視されます。また、ミランであれば、フィジカルが強く、技術が高い選手が好まれます。
バルサの場合は、非常に特殊です。なぜならバルサのプレースタイルに求められる選手の特性が、明確に分けられているからです。
ゴールキーパーであれば、背が高く敏捷性に優れた選手、かつ勇敢さも必要ですね。センターバックならビルドアップ能力に加えて、高い技術や強いメンタルがなければいけません。サイドバックはスピードと持久力を備えていることが重要です。ミッドフィルダーには特に高いテクニックとインテリジェンスが求められるでしょう。ウイングならスピードとドリブル。フォワードなら、周りとの連携がとれるだけでなく、絶対的な存在でなければいけないのです。
そのように、それぞれのポジションによって、求められる特性が明確に分けられています。少なくとも体のサイズ、要するに背が高いとか低いとか、線が太いとか細いというのは問題ではありません。
そのため、たとえテストを受けても、バルサだったら受かるけど、ミランだったら受からないこともあります。その逆も、またしかりです。
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