2006年の傑出した個人能力
──現在のバルセロナは、世界サッカー史上でも最強ではないかという声があります。2006年当時と現在のチームを比べてどう思いますか?
「チームが目指すコンセプトは、ほとんど変わっていないと思う。今のチームの方がコレクティブな面でより進化しており、総合力では上だろう。史上最強チームという評価に異論はない。ただ、2006年のチームの方が傑出した個人能力を持つ選手が多かったかもしれない」
──あなたがかつてプレーしたバルセロナ、そしてかつてポルトで指導を受けたジョゼ・モウリーニョ監督率いるレアル・マドリーが、現在、世界の2強とみなされています。あなた個人としては、どちらのチームのスタイルにより大きな魅力を感じますか?
「モウリーニョは、試合中に起こりうるすべての事柄を的確に予測し、完璧な準備を行なう男。選手のモチベーションを上げるのも天才的にうまい。コンペティティブなチームを作る手腕は世界一だろう。一方、バルセロナは美しいプレースタイルで世界中のすべてのサッカーファンを魅了する。モウリーニョには敬意を抱いているが、プレースタイルとしてはバルセロナの方が好きだな」
──バルセロナのようなスタイルのサッカーを実践するためには、かつてのあなた、現在はシャビやイニエスタが担うボランチの役割が極めて重要だという意見があります。
「その通りだと思うよ。僕とシャビ、イニエスタの特長は少し異なるけれど、チームの中で果たす役割は重なるところがある。彼らは、本当にすばらしい仕事をしていると思う」
──あなたにとって、バルセロナとはどのような存在ですか?
「地域に密着していながらグローバルな視点を持ち、魅力的なスタイルでサッカーの新しい地平を切り開く世界で唯一無二のクラブ。そのクラブで4シーズンもプレーし、数々の重要なタイトルを獲得できたことは、この上ない幸せだ。退団後も毎年のようにクラブを訪れて関係者と旧交を温めているし、メッシ、シャビ、イニエスタ、プジョルらとは常に連絡を取り合っている。彼らとの友情は永遠だ。僕にとって、バルサはまさに『クラブ以上の存在』。僕は死ぬまでクレ(バルサ・ファン)だよ」
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