自分たちの力を発揮したら必ず勝てると信じて…
──失点後、ロナウジーニョが左サイドへ戻り、エトーはトップへ。従来通りとなりました。これは監督の指示だったのですか?
「いや、監督の指示はなかった。僕たちが相談して決めた」
──その意図はどこにあったのでしょう?
「ロナウジーニョが2列目左サイドから中央にかけてのゾーンを自由に動き回ることで、攻撃のオプションが増えると考えたんだ」
──前半終了間際にロナウジーニョからの縦パスを受けたエトーが左足で強烈なシュートを放ったのですが、GKマヌエル・アルムニアが手で弾き、ポストに当たってそれました。そして、ハーフタイム。ロッカールームでの監督の指示は?
「『時間はまだたっぷりある。焦る必要はない。しっかりボールをつなぎ、左右、中央と3方向から攻めて相手の守備に揺さぶりをかけろ。後方の選手も、どんどん攻撃に加われ。ただし、相手のカウンターとセットプレーには気をつけよう。自分たちのゴール前で不用意なファウルはするな』と言われた」
──選手たちの表情は?
「みんな落ち着いていたよ。『絶対に逆転するぞ』とプジョルが叫び、『勝つぞ』と呼応する声があちこちから聞こえた」
──堅守のアーセナルにリードを許して、不安はありませんでしたか?
「不安を感じなかった、と言ったら嘘になる。しかし、経験豊富な選手が揃っていたから、動揺はなかった。自分たちの力を残らず発揮したら必ず勝てる、とみんな信じていた」