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デコが語るビッグイヤー獲得の舞台裏(前編)

text by 沢田啓明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

試合開始直後CKからの流れで起きた危機

──フォーメーションは、いつもの4-3-3ではなく4-3-2-1。序盤はサミュエル・エトーとロナウジーニョがポジションを入れ替えて、エトーが2列目左サイド、ロナウジーニョがトップでした。これらの変更について、監督からはどのような説明があったのですか?

「『エトーをサイドに置いて、彼の縦への推進力を最大限に活かしたい』ということだった。3トップにしなかったことに関しては、特に説明はなかった。自分では、中盤の守備を厚くする狙いがあるのだろうと理解していた」

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バルサにはロナウジーニョ、エトー、ジュリら世界最高レベルの選手が揃っていた【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

──試合開始直後、いきなりアンリが右サイドバックのエマヌエル・エブエからのパスを受けてシュート。これはGKビクトル・バルデスが防ぎましたが、直後の左CKからの流れでアンリがまた危険なシュートを放ち、バルデスが辛うじてパンチングで逃げるという場面がありました。

「あのアンリの2本のシュートには、肝を冷やしたよ。いずれもバルデスが素晴らしい反応で防いでくれたんだけど、もしあそこで先制されていたら大変なことになっていただろう」

──その後、バルセロナがジュリ、ロナウジーニョ、そしてあなたのシュートなどで盛り返します。

「立ち上がりのピンチを何とか凌いだことで、チームが落ち着いた。普段通り、きちんとボールをキープして攻撃できるようになった」

──とはいえ、決定的なチャンスはなかなか作れませんでした。

「アーセナルの中盤と最終ラインの選手は、本当に能力が高かった。我々が頻繁にポジションを入れ替えてもしっかり対応してきて、守備ブロックは揺るがなかった。さすがに10試合連続無失点のチームだと思った」

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