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2試合連続未出場の香川真司。チェルシー戦欠場の要因はモイズ監督の“安全策”か

text by 斎藤史隆 photo by Asuka Kudo / Football Channel

香川を起用しなかった理由

 とはいえ、モイズ監督も引き分けという結果にもそれほどの失望感を見せなかった。

モイズ監督
モイズ監督も攻守のバランスを考えた「安全策」を選択したのも無理はない【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

「内容は良かったが、ゴール前でチャンスをつくり出す最後のクロスを入れることができなかった。勝ち点3を奪えなかったのは残念だが、今回の引き分けを土台にしていきたい」

 一方のモウリーニョ監督はルーニー獲得について話をしたが、発言はかなりトーンダウンしていた。

「マンチェスター・ユナイテッドは特別なファンがいる特別なクラブ。おそらく本人は残留したいと考えているだろう。もし、それが決断ならば、私たちはその気持ちを尊重し、(獲得を)断念する」

 あとはルーニー本人が退団を申し出るかどうか次第と話したが、表情にはあきらめの雰囲気が漂っていた。

 香川真司は開幕戦のスウォンジー戦に続いてベンチ入りしたが、2試合連続でピッチに登場することはなかった。試合がこう着状態に陥る中、指揮官が選んだ交代選手はヤングとギグス。絶対に勝ちが必要な試合であれば、香川に出場機会が回ってきた可能性もあったであろう。

 しかし、試合展開を見れば、モイズ監督も攻守のバランスを考えた「安全策」を選択したのも無理はない。チーム合流が遅れたことや、日本代表戦出場のための帰国といったマイナス材料がある現在、香川の立ち位置は完全には明確になっていない。9月2日に終了する移籍市場での新戦力獲得も含め、それを判明するにはもう少し時間が必要ということだろう。

【了】

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