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Jリーグ 11年前

再試合となった熊本対北九州。不可抗力による試合中止をJリーグはどう取り扱うべきなのか?

text by 植田路生 photo by Kenzaburo Matsuoka , Ryota Harada

不平不満が出ないわけではないが…

 先にも述べたが、再試合は非常に特殊なケースだ。万人が納得する裁定など下せないだろう。

 今回の熊本対北九州でも、以下の問題が考えられる。

・再試合をするためのスタジアム使用料など興行的負担
・試合数の増加による選手コンディションの悪化
・再度遠征する北九州の移動費
・半券を捨ててしまったファンへの補償
など。

 だが、悪天候は不可抗力だ。今回のケースのように厳密に規約に則っるべきだと考える。規約では決定はチェアマンが下すことになっており、当事者からのヒアリングも次戦の日程など必要最低限にするべきだと思う。

 試合の勝敗、リーグの順位は純粋にピッチ上で決めるのが健全なリーグというものだ。たとえば、今回のように1-1で中止になった場合、「勝ち点1で十分」と考えるクラブは「中止時点での試合成立」を望むだろう。逆に「勝ち点3が欲しい」と考えるクラブは「再試合」を要求することは十分に考えられる。

 その他、「終盤の残留争いに向けて選手のコンディションを維持したいので成立して欲しい」など要望を聞いていてはキリがない。それこそ大相撲の「星のやりとり」よろしく、「勝ち点のやりとり」という、あってはならない事態になりかねない。

 試合の勝敗、リーグの順位はあくまでピッチの上で決着をつけるべきだ。多少の不満は出るだろうが、チェアマンが一刀両断して成立か再試合かの判断を下しても、問題ないだろう。

 熊本対北九州ではわずか1日で結論を出した。今後このようなことが起こった場合、長々と協議するようなことがないようにすることを願う。

【了】

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