思い通りにならないことが起きたとき、どう対応するか
自分も現役時代一度だけこのようなアクシデントがあった。
2005年のナビスコカップ予選リーグ対アルビレックス新潟戦で、大渋滞に巻き込まれ、到着したのは試合開始の50分前であった。その時の話を選手にし、その試合は2-0で勝ったことも伝えた。
もうひとつ伝えたことが、その試合では調子がよかった選手とそうでなかった選手がはっきり分かれていたこと。最後まで文句を言っていた選手達は皆調子が悪かったことも付け加えた。
開幕戦はそのシーズンを占う重要な一戦である。それにもかかわらず、トラブル続きのスタートではあったが、自分の中ではなぜか上手に開き直れていた。
アメリカでは山ほど思い通りにならないことがあった。その時気付いた大切なことは「気にしない」という心境に達するということだ。Jリーガー時代、とにかく神経質だった自分は、なかなかそれができなかったが、アメリカ1年目には海外生活が長い鈴木隆行さんの経験談をじっくり聞かせてもらう機会が多々あり、ある時からその開き直りに近い境地に近づくことを心がけるようになっていた。
そんな経験もあり、上手に開き直れたのかなと今では思う。
試合は開始5分で右サイドバックの選手がゴール前で右からのクロスに合わせ、先制点を奪う。右サイドバックはたくさんの選手がひしめき、一番最後まで誰を起用するか悩んだポジションだった。
しかしやはり試合はそんなにすんなりは終わらない。後半の開始早々に相手にPKを与え同点。その後危ない局面もあったが、右サイドの守備のテコ入れのため、左サイドバックと右サイドバックを入れ替えた直後に右サイドバックの選手のクロスから追加点。
さらにはCKで2点目をアシストした選手のミラクルゴール(なでしこ澤さんのワールドカップ決勝戦でのゴールのような形)で3-1。終了間際にもカウンターが決まり4-1で開幕戦を白星でスタートすることができた。
帰りの車では早朝から始まり、色々なことがあった1日の事を思い返していた。勝ったからよかったものの、試合運営を含め、多くの課題が山積みだった。来週はホーム開幕。すでにそのことで頭がいっぱいだった。