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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。“10番”ロナウジーニョの思わぬ高給のからくり

月6500万円のからくり

 ロナウジーニョは2001年、フランスのパリ・サンジェルマンに移籍。2003年からはスペインのFCバルセロナに移り、2004、05年のFIFA世界最優秀選手にも選ばれている。その後、2008年にイタリアのACミランへ移籍した。そして、2011年11月、母国ブラジルのフラメンゴに戻ることになった。

 フラメンゴとの契約は月130万レアル(約6500万円)。フラメンゴからは30万レアル、残りはスポーツマーケティング企業の『トラフィック・スポーツ』(以下トラフィック)社が支払うことになっているという。ロナウドのコリンチャンスへの移籍と同様に、クラブが俸給の全てを負担しない契約である。

 トラフィックは従業員350人超、ブラジル国内のリオとサンパウロ、アメリカ合衆国、ポルトガル、オランダに事務所を置く多国籍スポーツ企業である。

 この企業は1980年にジョゼ・アビラが設立した。アビラはサンパウロ州内陸部のヒオ・プレットで牧場主の息子として産まれている。地元のラジオレポーターとしてキャリアを始めた。

 67年にサンパウロへ出て、テレビ、ラジオ局である『バンデイランチス』で働き始めた。70年に『ヘッジ・グローボ』へ移り、スポーツ番組『グローボ・エスポルチ』の司会者を務めたこともある。ヘッジ・グローボは南米最大のテレビ局だ。

 トラフィックを立ち上げたアビラが最初に手がけたのは、バス停の広告代理業だった。その後、スタジアムの広告代理業も担当するようになった。

 さらに、バンデイランチスとヘッジ・グローボという二つのテレビ局と付き合いのあったアビラは、テレビ放映権ビジネスに手を伸ばしたのは自然な流れだったろう。

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