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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。“10番”ロナウジーニョの思わぬ高給のからくり

ブラジルサッカーにおいて「10番」は特別な存在だ。そして、その中でも大きな輝きを見せたロナウジーニョ。欧州のトップレベルで活躍した後、母国へ帰った。ピークを過ぎた彼だったが、欧州と同じような高給が待っていた。

ゆっくりとボールを回すリオのクラブ

 ロナウジーニョの登場は鮮烈だった――。

 99年リオ・グランジ・ド・スール州選手権の決勝は、ポルトアレグレを本拠地とする二つのクラブ、インテルナシオナルとグレミオの対戦となった。

 国土の広大なブラジルは各地方の独立性が高い。その地方のフッチボールには特徴が現れる。例えば、リオ・デ・ジャネイロはジーコのいたフラメンゴに代表されるように、ゆったりとしたパス回しからの攻撃サッカーを指向することが多い。一般的に中盤でのプレスは厳しくない。

 これには気温、湿度が関係している。高温高湿度のリオで、運動量を求めるサッカーをすれば、選手は疲弊する。そのため足下の技術を生かして、ゆったりとボールを回すのだ。

 ブラジルのもう一つの大都市サンパウロは標高700メートルの高台にあり、気温は少し下がる。テレ・サンターナの率いていた時代のサンパウロFCのように、長短のパスを織り交ぜて、欧州に近いサッカーをするクラブもある。

 リオ・グランジ・ド・スール――通称「ガウショ」のサッカーはまた別である。ブラジル南部、アルゼンチン、ウルグアイと国境を接しているこの地区は、この両国のサッカーに良く似たサッカーを指向しがちである。つまり守りをしっかり固めて、効率的に点を獲る――。

 その指向はリベルタドーレス杯の成績にも現れている。

 ブラジルのチームは、伝統的にリベルタドーレス杯を苦手としてきた。決勝トーナメントは一発勝負であり、失点をしないチームが結果を残しやすい。62年、63年にペレのいたサントスが連覇して以降、アルゼンチン、ウルグアイのチームがタイトルを独占し、次にブラジルのチームが優勝するのは76年大会である。

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